・実家仕舞いの中で新居へ引越しをする際に、バブル期にデパート外商から700万円で購入した輪島塗りのテーブルや、豪華な装飾がなされた西洋アンティークの家具 おじいさんが古美術商から高価で購入した骨董品の大きな壺や大皿 画廊で購入した評価額数千万円の絵画などを運ぶとき、どこに依頼するでしょうか?

 それは美術品とみなされますので通常の家具類の引越内容とは異なる「美術品輸送」を行っている業者に依頼することになると思います。
美術品輸送サービスを扱っている運送業者は、社員が事前の見積もり、梱包から輸送、開梱、梱包材の回収、品物の設置まで行います
 例えば大きな絵画や屏風なら、専用に木枠を組んで梱包したり、陶器など割れ物も接触しないように個別に制作された箱にウレタンの緩衝材などで養生しますのでそのために期間も必要になります
また運ぶ際も小さな荷物であっても必ず2名以上で行うことや、荷物に衝撃を加えないよう十分に配慮して作業を行うことなど
通常の運送や引越しとは全く異なる内容での作業が行われます。
 品物を破損無く輸送することを第一に作業を行いますので、一般的な引越し屋さんのようにアルバイトスタッフを何人も投入して早く終わらせ、効率良く一台のトラックに出来るだけ詰め込むような作業ではなく
慎重に作業を行いますし、積み込みも余裕を取って行いますので、一台のトラックに数点しか載せられなかったりします。
 もちろん異なるのは作業内容だけではなく、料金も大幅に異なり高価ですので、運ぼうとしている品物の実勢価格よりも遥かに高額な料金がかかることが多く、見積もりをしてもらいその料金を知ると、美術品輸送を断念してしまう方もいらっしゃいます

でも大事に運びたい気持ちはどうしたらいいんでしょうか

・ところで私たち古美術商は普段、美術品を運ぶ時にはどうしているか知っていますか?

お客様宅からお買取りさせていただいた美術品 例えばブロンズ像や40号もあるような大きな絵画だったり、
いずれも「美術品評価額」からしたら1000万越えの品物であるとします もちろんいちいち外部の美術品輸送業者なんて使いません、
「普段通りに積んで運ぶ」のみです 

我々は美術品輸送のプロでもあり、美術品を運ぶことは日常だからです。
当然、そのためのノウハウが身についている訳です

お買取りしたものを積込み、売りに出すのに運ぶときに美術品輸送業者のような仰々しいことをしていたら大幅に経費倒れになりますし、そんな事してる時間も当然ありません 全く非合理なことになってしまいます。

だからと言って雑な仕事をしているわけではありません。大事なのは側から見て厳重そうな運び方をすることではなく
「お譲りいただいたお品物を相応しい持ち主に届ける。そして仕事の対価を得る」事が全てです

お客様のお品物、それは当然貴重なものです
しかし私たちは、買取りさせて頂いた品物は、無事運んで商売を完結しなくてはならないのです。

もし運んでる時に破損してしまったら大変な損を被ることになります
恙無く運んで売り抜けなければ生活の糧も得られません(無事に運んでも目測を誤って赤字になったり損したりすることはありますが、、)

人の傾向として人は自分の懐が痛む事に対して一番真剣になるものです。
特に個人で営業している者にとってはひとつひとつの仕事が生活に直結しますので、より真剣になるものです
一方 雇われている人間は破損事故出しても会社から守られますので真剣さがどうしても弱くなります

身についた美術品の輸送〜市場流通のノウハウはインスタントに身につくものではありません。個人差はありますが長年の修行と実地の経験でしか身につかないものです

美術品の輸送に悩んだ時には、その時は手放す機会であるという事も選択肢のひとつであると考えます

そんな時は生活に真剣勝負な我々、個人で頑張っている経験豊かな古美術商に買取りを依頼することが最適解と言えます。ご利用ありがとうございます^^