南部鉄器や宮城のこけし、鎌倉彫、有田焼、西陣織、京友禅、輪島塗など伝統工芸品と呼ばれる製品はたくさんあります。
でも一体、伝統工芸品ってどんなモノをいうのでしょうか。ここでは、伝統工芸品に選ばれる基準についてお伝えします。
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ー目次ー
地域別・伝統工芸品に選ばれた品物たち
>>「こけし」の価値についてはコチラから
まずは、伝統工芸品にはどのようなモノがあるのかを見てみましょう。以下に挙げるのは経済産業省指定の伝統工芸品です。平成元年11月20日時点で235品目が指定されていますので、ここでは一部をご紹介します。
≪北海道≫
二風谷イタ、二風谷アットウシ
≪東北≫
津軽塗(青森)、南部鉄器・浄法寺塗・岩谷堂箪笥(岩手)、宮城伝統こけし・鳴子漆器(宮城)、川連漆器・大館曲げわっぱ(秋田)、山形仏壇・山形鋳物(山形)、会津塗(福島) など
≪関東≫
結城紬(茨城・栃木)、笠間焼(茨城)、益子焼(栃木)、伊勢崎絣(群馬)、岩月人形・秩父銘仙(埼玉)、房州うちわ(千葉)、村山大島紬・江戸切子・江戸和竿・東京銀器(東京)、鎌倉彫・箱根寄木細工(神奈川) など
≪甲信越≫
小千谷縮・三条仏壇・加茂桐箪笥(新潟)、甲州水晶貴石細工・甲州印伝(山梨)、信州紬・松本家具・飯山仏壇(長野) など
≪東海≫
飛騨春慶・美濃焼・一位一刀彫(岐阜)、駿河雛人形(静岡)、常滑焼・名古屋桐箪笥(愛知)、伊賀くみひも・鈴鹿墨(三重) など
≪北陸≫
高岡銅器・井波彫刻・越中和紙(富山)、加賀友禅・九谷焼・輪島塗・山中漆器・金沢箔(石川)、越前漆器・越前打刃物(福井) など
≪近畿≫
彦根仏壇・信楽焼(滋賀)、西陣織・京鹿の子絞・京友禅・京焼・清水焼(京都)、堺打刃物・浪華本染め(大阪)、播州そろばん(兵庫)、奈良筆・高山茶室(奈良)、紀州へら竿・紀州箪笥(和歌山) など
≪中国≫
因州和紙(鳥取)、雲州そろばん・石見焼(島根)、備前焼(岡山)、熊野筆・福山琴(広島)、赤間硯・萩焼(山口) など
≪四国≫
阿波和紙・阿波正藍しじら織・大谷焼(徳島)、香川漆器・丸亀うちわ(香川)、砥部焼・大州和紙(愛媛)、土佐和紙・土佐打刃物(高知)
≪九州≫
博多人形・久留米絣・八女提灯(福岡)、伊万里焼・有田焼・唐津焼(佐賀)、長崎べっ甲(長崎)、天草陶磁器・肥後象嵌(熊本)、別府竹細工(大分)、津城大弓(宮崎)、本場大島紬(宮崎・鹿児島)、川辺仏壇・薩摩焼(鹿児島) など
≪沖縄≫
久米島紬・宮古上布・八重山ミンサー・琉球絣・琉球漆器・三線 など
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地元の材料と伝統技法で作る「伝統工芸品」
こうして見てみると、本当にたくさんのモノが伝統工芸品に指定されているんですねぇ。でも、そのひとつひとつが実に美しく、細部にまで職人さんたちの想いが込められているのがわかります。
伝統工芸品というより「伝統工芸美術品」としたほうがいいのでは?と思うようなモノばかり。それにしても、これらの伝統工芸品ってどんな基準で選ばれているのか、気になるところですよね。
・南部鉄器の山形は鉄鉱石や砂鉄、砂などが豊富な土地
そもそも伝統工芸品とは、どんなモノを指すのでしょうか?
JTCO(日本伝統文化振興機構)によれば、その土地でとれる素材を使い、職人たちが伝統的な技法で作られてきたモノのことを「伝統工芸品」と呼んでいます。
たとえば岩手の南部鉄器。今や世界でも評価の高い日本の代表的な伝統工芸品ですが、岩手では南部鉄器に使われる鉄鉱石や砂鉄、砂、粘土が豊富に採れます。
製法は、砂で作られた鋳型に銑鉄を流し込む「焼型法」をはじめ、鋳型の製作から紋様捺し、鋳込み、型だし、砂落とし、着色まで400年以上も昔から伝わる伝統技法です。
このように、地元の材料を使い、古くからの技法を用いて作られているのが伝統工芸品というわけです。
>>龍文堂の鉄瓶についてはコチラから
>>輪島塗など漆器についてはコチラから
伝統工芸品に選ばれる5つの基準
では、いよいよ伝統工芸品に選ばれる基準についてです。
驚かれる方もいると思いますが、この基準、実は「伝統工芸品産業の振興に関する法律」という法律で以下のとおり決められているんです。
1.主として日常生活で使われるモノであること
一般の人々が日常生活で使用する工芸品であり、冠婚葬祭や節句など使用頻度は少ないモノであっても、日本人の生活に密着していること。必ずしも安価で手に入るモノという意味ではない。
2.製造過程の主要な部分が手作りであること
機械化により伝統工芸品本来の持ち味が失われてしまうため、あくまでも品質や形態、デザインなど製品の持ち味に係る部分(主要部分)が手作りであること。
3.伝統的技術や技法で製造されていること
原則として、100年以上の歴史があり、今日まで継承している製造技術や技法を用いて製造していること。受け継がれてきた中で改善・発展があったとしても、製品の特質を変えるまでに至らなければ、伝統的技術または技法に含まれます。
4.伝統的に使用されてきた原材料を使っていること
原則として、100年以上の歴史があり、今日まで継承している原材料を使っていること。ただし、すでに枯渇して入手困難な場合は、持ち味を変えない範囲で同種材料を使用することは可能。
5.一定の地域産業として成り立っていること
一定の地域で、少なくない者が製造に携わっていること。つまり、その工芸品が製造される地域で、原則10企業以上または30人以上の従事者が、その工芸品の製造に携わっていること。
道具や材料にも基準が定められている
先にお伝えした伝統工芸品は、以上の5つの基準で選ばれたことになります。また、これらの伝統工芸品を作るために欠かせない用具や材料についても、後継者の保護と技術・技法の維持向上のため、昭和52年に経済産業省が以下のように定めました。
「伝統的工芸品の製造に不可欠な用具または材料の産地であって、これらの用具等を扱う伝統的工芸品の産地に含まれない、独立した産地であることが必要であり、このほか、伝統的工芸品tのして指定されるための要件のうち、前述の(2)~(5)の要件を満たすものであること」
・最近では伝統工芸職人の養成学校もある
最近は、伝統工芸職人を養成するための学校もありますが、伝統工芸品は骨董品、アンティークとしての価値も高く、こうした優れた作品は日本の誇りとして残していきたいですよね。
南部鉄瓶は渋くて味がありますし、江戸切子のグラスで飲む日本酒は、ホント、美味しいですよね。厳密にいえば100均で買ったグラスでも変わらないのかも知れませんが、職人たちの魂というか想いが伝わってくる気がして美味しく感じるのかもしれません。
・使ってくれる方への橋渡しをします!
もし、皆さんのご自宅やご実家で、「誰か使ってくれる人がいないかしら?」とこうした伝統工芸品の処分に困っていらしたら、是非、当店へご連絡ください。橋渡しをさせていただきます。
大切な品物、少しでも高く買取させていただきます。