「生前整理って本当に必要なの?」「始めるとしたらいつ頃から?」
生前整理は終活のひとつです。あるアンケート調査で実際に生前整理を始めた・始めるつもりと答えた人は、40代で30%、50代で62.5%という高い数値が出ていました。
しかし30代では、終活・生前整理という言葉さえ知らないという人が40代の半数以上います。そこで今回は、生前整理が本当に必要なのか?30代・40代で始めるとしたら、どんなメリットがあるのかについてお伝えします。
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ー目次ー
生前整理がなぜ必要なのか?
終活とは、人生の終わりに向けての活動のことで、生前整理はその活動のひとつであり別称とも言えます。では、なぜ生前整理が必要なのでしょうか?
・家族に負担をかけないため
生前整理の必要性を感じる理由の約6割が、「子どもや配偶者に迷惑をかけたくない」から。
「断捨離」という言葉はすっかり有名になりましたが、確かに実家を断捨離した子世代の多くが、自分たちにとっては不要なものばかりだと言います。その処分をするには体力・労力ともに大変です。
まして遺品ともなれば、捨てるとなると後ろめたい気もします。そういう心の負担を家族にかけないためにも生前整理は必要でしょう。
・家族に見せたくないモノを処分するため
生前整理には、家族に見られたくないモノを処分しておくという意味合いもあります。例えば、日記やメールなどがそうです。
ですので、「家族に負担をかけない」「家族に見られたくないモノを処分する」ためにも生前整理は必要なのではないでしょうか。
生前整理が60歳を過ぎてからでは遅い理由
では、生前整理を始めるとしたらいつ頃が良いのでしょうか?
断捨離の場合、60歳までにやっておくのがスマートだとこちらのコラムでお伝えしましたが、生前整理も同じです。
・60歳を過ぎるとガンによる死亡率が急激に増える
日本人の平均寿命(※1)は、男性が81歳、女性が87歳です。80歳まで生きるのであれば、60歳を過ぎてから生前整理をしても遅くないのでは?とも思えますよね。
ところが、がんの死亡率を見てみると男女ともに40歳を過ぎた頃から徐々に増加。男性の場合は50代に入るとその数が増し、60歳を過ぎると急激に加速(※2)します。そう考えると60歳を過ぎてからでは遅いとも言えるのではないでしょうか。
60歳までに生前整理すべき理由については「 60歳までに断捨離すべき5つの理由 」の記事も参考にしてみてください。
※1.厚生労働省「平成30年簡易生命表の概況」
※2.国立がん研究センター「がん情報サービス|最新がん統計」
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30代・40代で生前整理すべき4つのメリット
生前整理を始めるのに適した年代について、生前整理普及協会代表理事・大津たまみさんは「45歳を過ぎたら始めましょう」と語っています。
1.老後の「おひとりさま」に備えての安心感
40歳を過ぎてから生前整理を始めるなら決して遅くはありません。
ただ、老後「おひとりさま」になると感じている30代が約8割(※3)もいることを考えると、30代から始めることでその後の生活に安心感が持てるというメリットが大きいのではないでしょうか。
2.親の生前整理も一緒にできる
もうひとつのメリットは、30代・40代というと親たちは50代・60代でちょうど断捨離もかねた終活年代なので、いっしょに生前整理ができること。
親に一方的に「断捨離しなよ」「生前整理やったほうがいいよ」と言うよりも、「自分もやるから一緒にやらない?」と提案したほうが、親も受け入れやすくなるはず。
3.家族で共有すべき情報は山ほどある
親が倒れて入院・・・病院に駆けつけると担当医にこう聞かれます。
「かかりつけの医院はありますか?」
同居している場合はまだしも、親が元気なうちに別居してしまうと、親のかかりつけ医院など知らない人が多いのではないでしょうか?
一緒に生前整理しておくことで、そういった情報を知ることができます。何銀行に口座があり、預貯金はいくらなのか、その他にどんな資産があるのか、亡くなった際にその旨を知らせる連絡先やお墓のことなど、家族間で共有しておくべき情報は本来、山ほどあるはずです。
生前整理は、万一に備えての情報を知ることはもちろんですが、互いの日常や考え方をより深く知る意味でもメリットは大きいと言えます。それを30代にしておくか、40代にするかの差は意外と大きいかも知れません。
4.将来の人生設計ができる
30代の生前整理には、自分の人生設計ができるというメリットもあります。もちろん40代でも十分遅くはありませんが、30代であればこれから結婚する人もいますし、結婚していたとしても子どもが小さい人が多いはずです。
となると、どのぐらい貯金をすべきか、どのような保険が必要か、いつ頃に家を購入すべきかなど考えておくべきことはたくさんあります。そういう意味でも、自分の現状を整理整頓し、将来を計画するためにも生前整理が役に立つでしょう。
※3.国境なき医師団日本「終活と遺贈に関する意識調査2016」
生前整理で親子の貴重な時間を共有
大人になると親と過ごす時間は、多かれ少なかれ減りますよね。
遠距離の場合は難しいかもしれませんが、ご自身の生前整理と一緒に親御さんの生前整理も行えば、断捨離と情報共有ができるだけでなく、親子の時間を持てる点でもその効果は大きいような気がします。
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家の中を整理していると、両親の若い頃の写真や子どもたちが小学生のときに作った工作などが出てきたり、ついつい思い出話に花が咲き、楽しいひとときを過ごしたという方も少なくありません。
「でも、これってとっておいてもねぇ・・・」
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